- 資金が20%減ると、元に戻すには+25%が必要。50%減ると+100%、つまり2倍にしなければ戻らない
- 損失が大きくなるほど、取り戻すのに必要な利益率と時間は加速度的に増える
- だからこそ、1回の損失を小さく抑えることが、増やすことより先に来る
10万円が8万円に減ったとき、「20%減ったから、20%増やせば戻る」と考えてしまいがちです。でも、8万円を20%増やしても9万6千円にしかなりません。10万円に戻すには、8万円を25%増やす必要があります。
減るときは元の金額を基準に減り、増やすときは減ったあとの少ない金額を基準に増やすからです。この差は、損失が大きくなるほど急に広がっていきます。
損失と、取り戻すのに必要な利益率
計算式はシンプルです。損失率をLとすると、元に戻すのに必要な利益率は 1 ÷ (1 − L) − 1 で求められます。
| 資金の減り方(ドローダウン) | 元に戻すのに必要な利益率 |
|---|---|
| −10% | +11.1% |
| −20% | +25.0% |
| −30% | +42.9% |
| −40% | +66.7% |
| −50% | +100.0%(2倍) |
| −60% | +150.0% |
| −70% | +233.3% |
| −80% | +400.0%(5倍) |
| −90% | +900.0%(10倍) |
−10%なら+11%で戻りますが、−50%では資金を2倍に、−90%では10倍にしなければ戻りません。損失が大きくなるほど、回復は現実的ではなくなっていきます。
時間で見ると、もっと差が大きい
毎月同じ割合で増やせたとしても、取り戻すまでにかかる時間はこれだけ違います(複利で計算)。
| ドローダウン | 月+1%で戻すと | 月+2%で戻すと | 月+5%で戻すと |
|---|---|---|---|
| −10% | 約10.6ヶ月 | 約5.3ヶ月 | 約2.2ヶ月 |
| −20% | 約22.4ヶ月 | 約11.3ヶ月 | 約4.6ヶ月 |
| −30% | 約35.8ヶ月 | 約18.0ヶ月 | 約7.3ヶ月 |
| −50% | 約69.7ヶ月 | 約35.0ヶ月 | 約14.2ヶ月 |
※毎月その割合で増え続けると仮定した計算です。実際の運用では毎月同じように増えることはなく、負ける月もあります。
月+2%で運用できたとしても、−50%から戻るには約3年かかります。しかもその間、同じペースで勝ち続けられる保証はありません。大きなドローダウンは、お金だけでなく時間も失わせます。
連敗すると、どこまで減るのか
1回の損失を口座の何%にするかで、連敗したときの減り方も大きく変わります。毎回、その時点の残高に対して同じ割合で負け続けた場合の計算です。
| 1回の損失 | 5連敗すると | 10連敗すると |
|---|---|---|
| 口座の1% | −4.9% | −9.6% |
| 口座の2% | −9.6% | −18.3% |
| 口座の5% | −22.6% | −40.1% |
| 口座の10% | −41.0% | −65.1% |
1回10%のリスクで10連敗すると、資金は3分の1ほどになります。そこから戻すには、上の表のとおり+186%が必要です。10連敗は珍しく思えますが、勝率が50%でも、何百回と取引すればいずれ起こりうる回数です。
EAや手法を選ぶときに見るべきこと
- 利益率より先に、最大ドローダウンを見る同じ年+50%でも、途中で−50%を経験する運用と、−10%で済む運用は別物です。前者は、一度崩れると戻るのに何年もかかります。
- 「最大DD」は過去の最悪でしかないバックテストや過去の実績の最大ドローダウンは、これまでの最悪の記録です。将来はそれを超えることがある、と考えておきます。
- 1回の損失を小さく決めておく1回の損失を口座の1〜2%程度に抑えておけば、10連敗しても−20%以内で止まります。増やす工夫より先に、減り方の上限を決めるのが順番です。
当サイト運営者が開発したEAのフォワード成績を、最大ドローダウンやいちばん悪かった週も含めて公開しています。数字は毎日自動で更新しています。
運用実績のページを見る → PR・自社開発。過去の成績は将来の利益を保証しません。まとめ
資金が減ったあとに取り戻すのは、減らないように守るよりずっと難しいことです。−20%なら+25%、−50%なら+100%。この非対称さを知っておくだけで、ロットの決め方やEAの選び方が変わります。
「いくら増えるか」の前に、「最悪どこまで減るか、そこから戻れるか」を考える。それが、長く相場に残るための一番の基本です。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。