- 同じEA・同じ検証方法で、銘柄と時間足の組み合わせを6通り試したところ、12ヶ月で一度も動けなかった組み合わせが4つあった
- ゴールド(XAUUSD)は15分足・1時間足のどちらも全月見送り。一方、EURAUDとEURUSDの15分足は稼働して利益が出た
- 「全通貨ペア・全時間足対応」のEAは、どの組み合わせで検証したのかを必ず確認する
EAの販売ページでよく見かけるのが、「どの通貨ペアでも使える」「好きな時間足で動かせる」という説明です。便利そうに聞こえますが、開発する側から見ると、これはかなり大胆な主張です。
同じロジックでも、銘柄と時間足が変われば値動きの性格がまるで違うからです。実際にどれくらい違うのかを、私が開発中のEAで確かめました。
検証の条件
検証に使ったのは、ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせた逆張りEAです。もともとゴールドの5分足向けに作ったもので、私が配布しているGSS2026 Alphaとは別のロジックです。
- 検証方法:月次のウォークフォワード検証。毎月、直前6ヶ月のデータでパラメータを最適化し、翌月だけそのパラメータで運用した成績を記録する
- 検証期間:2025年7月〜2026年6月の12ヶ月
- 見送りのルール:最適化の結果が「PF1.2以上・相対ドローダウン15%以下・取引10回以上」を満たさない月は、翌月の運用を見送る
- 試した組み合わせ:XAUUSD・EURAUD・EURUSD × 15分足・1時間足の6通り
- 資金とロット:元本10万円、0.1ロット固定。MT5のストラテジーテスターを使用
見送りのルールがあるので、「条件を満たす設定が過去6ヶ月に見つからない組み合わせ」は、その月は一度も取引しません。つまり稼働した月の数そのものが、その組み合わせとの相性を表します。
結果:6通りのうち4通りは一度も動けなかった
| 銘柄・時間足 | 稼働した月 | 勝ち月 | 12ヶ月の損益 | 取引回数 | 最悪月の最大DD |
|---|---|---|---|---|---|
| EURAUD・15分足 | 12 / 12 | 8 | +17,141円 | 43回 | 5.3% |
| EURUSD・15分足 | 11 / 12 | 7 | +5,105円 | 44回 | 5.3% |
| XAUUSD・15分足 | 0 / 12 | — | ±0円(全月見送り) | — | — |
| XAUUSD・1時間足 | 0 / 12 | — | ±0円(全月見送り) | — | — |
| EURAUD・1時間足 | 0 / 12 | — | ±0円(全月見送り) | — | — |
| EURUSD・1時間足 | 0 / 12 | — | ±0円(全月見送り) | — | — |
※ストラテジーテスターによる検証結果です。リアル口座での成績ではありません。損益は元本10万円に対する金額です。
読み取れること① 作った銘柄・時間足から離れると、条件を満たせない
このEAはゴールドの5分足向けに作りました。ところが同じゴールドでも、15分足と1時間足では12ヶ月間、一度も見送りのルールを通過できませんでした。足が長くなると、逆張りのきっかけになる「行き過ぎ」の出方が変わり、過去6ヶ月のどこを探しても、条件を満たす設定が見つからなかったということです。
1時間足はゴールド以外の2銘柄でも全月見送りでした。このロジックにとって、1時間足は相性が悪い時間足だと言えます。
読み取れること② 想定外の組み合わせで動くこともある
一方で、EURAUDとEURUSDの15分足は、ほぼ毎月稼働し、どちらもプラスで終わりました。作った本人も想定していなかった組み合わせです。相性は理屈だけでは決まらず、検証してみないと分からない、ということでもあります。
ただし、取引回数は12ヶ月で43〜44回しかありません。月に3〜4回です。この回数では、たまたま勝てた可能性を否定しきれません。「動いた」ことと「実力がある」ことは別で、私もこの2つの組み合わせはまだ候補の段階だと考えています。
私が配布しているGSS2026 Alphaも、XAUUSD専用にしています。検証していない銘柄で動かせるようにすると、この記事のような「相性の悪い組み合わせ」で使われてしまうからです。
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- 検証した銘柄と時間足が書かれているか「どの通貨ペアでも使える」とあっても、成績が載っているのは1〜2通りだけ、ということはよくあります。成績表に書かれていない組み合わせは、未検証だと考えるべきです。
- 推奨外の組み合わせで動かしていないか推奨されている銘柄・時間足以外で動かすと、この記事のXAUUSDの15分足のように、優位性がまったくない状態で取引することになりかねません。
- 取引回数は十分かうまくいった組み合わせでも、取引回数が少なければ偶然の可能性が残ります。年に数十回の取引では、判断材料として弱いと考えてください。
まとめ
同じEAでも、銘柄と時間足が変われば別物です。今回の検証では、6通りのうち4通りが12ヶ月間一度も動けず、逆に想定していなかった組み合わせで利益が出ました。
EAを選ぶときは、成績の数字だけでなく、その成績がどの銘柄・どの時間足で出たものかを確認し、その組み合わせで使ってください。
なお、最適化に使う期間の長さで結果がどう変わるかは、こちらの記事で検証しています。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。