- 2026年1〜6月のデータで最適化し、条件(PF1.2以上・最大DD20%以内)を満たした7銘柄の設定を、使っていない7月〜10月6日にそのまま当てた
- 結果は7銘柄すべてでPFが1.2を下回った。学習期間でPF2.11だった銘柄が、確認期間では0.71に落ちたものもある
- 最適化でいちばん良い数字は、その期間に合わせ込んだ結果を含む。成績は「使っていない期間」で確かめてから信じる
EAのバックテストで、パラメーターを少しずつ変えながら成績のいい組み合わせを探すことを「最適化」と呼びます。最適化の結果表には、たいてい驚くほどきれいな数字が並びます。
では、その「いちばん良かった設定」は、これから先の相場でも同じように動くのでしょうか。自分で開発中のEAで、実際に確かめてみました。以前書いた過剰最適化とウォークフォワードの話の続きにあたる、最新の検証です。
検証のやり方
- EA:開発中の、水平線での逆張りEA(5分足。4時間足がレンジのときだけ取引する)
- 銘柄:ゴールドと為替10ペアの11銘柄
- 学習期間:2026年1月1日〜6月30日。この期間で、1銘柄あたり648通りの設定を試した
- 合格の条件:PF1.2以上、最大DD20%以内、取引30回以上。満たした設定のうち、利益がいちばん大きいものを選ぶ
- 確認期間:2026年7月1日〜10月6日。学習には一切使っていない期間に、選んだ設定を変えずに当てる
資金は10万円、ロットは0.02で固定です。学習期間で条件を満たす設定が1つでもあったのは、11銘柄のうち7銘柄でした。
結果:学習期間と確認期間のPF
| 銘柄 | 条件を満たした設定 | 学習期間のPF | 確認期間のPF | 確認期間の取引回数 |
|---|---|---|---|---|
| GBPUSD | 102 / 648 | 2.11 | 0.71 | 27回 |
| XAUUSD(ゴールド) | 76 / 648 | 1.97 | 0.22 | 19回 |
| EURUSD | 68 / 648 | 1.76 | 0.78 | 35回 |
| USDJPY | 184 / 648 | 1.76 | 1.12 | 62回 |
| EURCHF | 26 / 648 | 1.40 | 0.43 | 34回 |
| EURJPY | 23 / 648 | 1.33 | 0.89 | 67回 |
| USDCHF | 19 / 648 | 1.25 | 1.16 | 72回 |
※MT5のストラテジーテスターによるバックテスト(1分足OHLCモデル)。PF(プロフィットファクター)は総利益÷総損失で、1を下回ると損失のほうが大きいことを示します。
表から読み取れること
① 学習期間の数字が特に良かった銘柄ほど、大きく落ちる傾向があった
学習期間でPFがいちばん高かったGBPUSD(2.11)は、確認期間で0.71になりました。ゴールドも1.97から0.22です。一方で、学習期間のPFが1.25と控えめだったUSDCHFは、確認期間でも1.16と大きくは崩れませんでした。
648通りも試せば、その期間の値動きにたまたま合った設定が必ず見つかります。いちばん良い数字には、その「たまたま」が多く含まれていると考えたほうが安全です。
② 学習期間でプラスでも、確認期間でマイナスになることは普通に起きる
7銘柄のうち、確認期間でもPFが1を超えたのはUSDJPYとUSDCHFの2つだけでした。残りの5銘柄は、学習期間では条件を満たしていたのに、確認期間では損失のほうが大きくなっています。
③ 損失の大きさを抑える工夫は、確認期間でも効いていた
このEAは損切りを小さく置く設計にしています。為替の6ペアは、確認期間の最大DDがいずれも5%未満に収まりました。勝てなかった理由は、損失の大きさではなく、勝ち負けの比率が崩れたことにあります。
最適化の数字を信じすぎないために
- 使っていない期間で、必ず確かめる最適化に使ったデータとは別に、最後の数か月を「確認用」として残しておきます。そこでも成績が残るかどうかが、本当の判断材料です。
- 試した数を、数字と一緒に見る何百通りも試した中の1番は、実力より良く見えやすくなります。その数字が何通りの中から選ばれたものかを確かめます。
- 周りの設定も悪くないかを見る選んだ設定だけが突出していて、少し値を変えると成績が崩れる場合は、たまたまである可能性が高くなります。
- 取引回数も確かめる回数が少ない検証は、数回の勝ち負けで結果が大きく変わります。成績表の読み方もあわせて参考にしてください。
まとめ
今回の検証では、半年分のデータで選んだ設定は、次の3か月で7銘柄すべてがPF1.2を下回りました。最適化の結果表のいちばん上の数字は、そのままでは将来の成績の目安になりません。
EAの成績を見るときは、どの期間で、何通りの中から選ばれた数字なのかを確かめる。そして、選ぶのに使っていない期間でも成績が残っているかを見る。地味な手順ですが、数字にだまされないためのいちばん確かな方法だと感じています。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の数値はバックテストの結果で、実際の取引の成果を示すものではありません。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。