ナビスタ›コラム›EA開発・検証

最適化した設定は次の3か月も通用するか──7銘柄で確かめた結果

公開 2026年10月6日著者 サーフ(EA開発者)読了 約6分
この記事の要点
  • 2026年1〜6月のデータで最適化し、条件(PF1.2以上・最大DD20%以内)を満たした7銘柄の設定を、使っていない7月〜10月6日にそのまま当てた
  • 結果は7銘柄すべてでPFが1.2を下回った。学習期間でPF2.11だった銘柄が、確認期間では0.71に落ちたものもある
  • 最適化でいちばん良い数字は、その期間に合わせ込んだ結果を含む。成績は「使っていない期間」で確かめてから信じる

EAのバックテストで、パラメーターを少しずつ変えながら成績のいい組み合わせを探すことを「最適化」と呼びます。最適化の結果表には、たいてい驚くほどきれいな数字が並びます。

では、その「いちばん良かった設定」は、これから先の相場でも同じように動くのでしょうか。自分で開発中のEAで、実際に確かめてみました。以前書いた過剰最適化とウォークフォワードの話の続きにあたる、最新の検証です。

検証のやり方

資金は10万円、ロットは0.02で固定です。学習期間で条件を満たす設定が1つでもあったのは、11銘柄のうち7銘柄でした。

結果:学習期間と確認期間のPF

銘柄条件を満たした設定学習期間のPF確認期間のPF確認期間の取引回数
GBPUSD102 / 6482.110.7127回
XAUUSD(ゴールド)76 / 6481.970.2219回
EURUSD68 / 6481.760.7835回
USDJPY184 / 6481.761.1262回
EURCHF26 / 6481.400.4334回
EURJPY23 / 6481.330.8967回
USDCHF19 / 6481.251.1672回

※MT5のストラテジーテスターによるバックテスト(1分足OHLCモデル)。PF(プロフィットファクター)は総利益÷総損失で、1を下回ると損失のほうが大きいことを示します。

表から読み取れること

① 学習期間の数字が特に良かった銘柄ほど、大きく落ちる傾向があった

学習期間でPFがいちばん高かったGBPUSD(2.11)は、確認期間で0.71になりました。ゴールドも1.97から0.22です。一方で、学習期間のPFが1.25と控えめだったUSDCHFは、確認期間でも1.16と大きくは崩れませんでした。

648通りも試せば、その期間の値動きにたまたま合った設定が必ず見つかります。いちばん良い数字には、その「たまたま」が多く含まれていると考えたほうが安全です。

② 学習期間でプラスでも、確認期間でマイナスになることは普通に起きる

7銘柄のうち、確認期間でもPFが1を超えたのはUSDJPYとUSDCHFの2つだけでした。残りの5銘柄は、学習期間では条件を満たしていたのに、確認期間では損失のほうが大きくなっています。

③ 損失の大きさを抑える工夫は、確認期間でも効いていた

このEAは損切りを小さく置く設計にしています。為替の6ペアは、確認期間の最大DDがいずれも5%未満に収まりました。勝てなかった理由は、損失の大きさではなく、勝ち負けの比率が崩れたことにあります。

最適化の数字を信じすぎないために

  1. 使っていない期間で、必ず確かめる最適化に使ったデータとは別に、最後の数か月を「確認用」として残しておきます。そこでも成績が残るかどうかが、本当の判断材料です。
  2. 試した数を、数字と一緒に見る何百通りも試した中の1番は、実力より良く見えやすくなります。その数字が何通りの中から選ばれたものかを確かめます。
  3. 周りの設定も悪くないかを見る選んだ設定だけが突出していて、少し値を変えると成績が崩れる場合は、たまたまである可能性が高くなります。
  4. 取引回数も確かめる回数が少ない検証は、数回の勝ち負けで結果が大きく変わります。成績表の読み方もあわせて参考にしてください。

まとめ

今回の検証では、半年分のデータで選んだ設定は、次の3か月で7銘柄すべてがPF1.2を下回りました。最適化の結果表のいちばん上の数字は、そのままでは将来の成績の目安になりません。

EAの成績を見るときは、どの期間で、何通りの中から選ばれた数字なのかを確かめる。そして、選ぶのに使っていない期間でも成績が残っているかを見る。地味な手順ですが、数字にだまされないためのいちばん確かな方法だと感じています。

サーフ|FX判断基準設計

トレード歴13年。感情に流される裁量トレードで負け続けた経験から、再現性のある判断基準づくりとMT5のEA開発・検証に取り組んでいる。ナビスタ運営者。X:@ForexSurf1981(毎週土曜にGSS2026 Alphaの週次実績を公開)/note:note.com/forexsurf

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の数値はバックテストの結果で、実際の取引の成果を示すものではありません。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。