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「いちばん良い設定」の隣も勝てているか──ゴールドとドル円で比べてみた

公開 2026年10月22日著者 サーフ(EA開発者)読了 約5分
この記事の要点
  • 同じロジックの24通りの設定で、いちばん良い設定と、パラメータを1段だけ変えた「隣の設定」の成績を並べた
  • ゴールドは1位(PF1.47)の隣5つがすべてPF1.0以上。ドル円は1位(PF1.29)の隣4つのうち2つが負け越しで、24通り全体でもPF1.0以上は3つだけだった
  • ただし、隣が良くても次の1年に通用するとは限らない。1年前のドル円では、隣もそろって良かった1位が、次の1年でPF0.79に落ちた

バックテストで24通りの設定を試すと、どうしても「いちばん成績の良い設定」に目が行きます。でも、その1つだけが飛び抜けていて、少し設定を変えると負けてしまうなら、その成績は「たまたま」の可能性が高くなります。

17銘柄で動かした記事では、銘柄ごとに勝ち越した設定の「数」を見ました。今回は、ゴールドとドル円のいちばん良い設定について、その隣がどうなっていたかを見てみます。

検証の条件

結果①:ゴールドの1位と、その隣

ゴールドで、直近1年にいちばんPFが高かったのは、山・谷「中」・余裕「あり」・損切り「狭い」の設定でした(1年で276回の取引)。

設定変えたパラメータPF
1位の設定—1.47
隣①山・谷を「小」に1.06
隣②山・谷を「大」に1.00
隣③抜けの余裕を「なし」に1.37
隣④損切りを「広い」に1.45
隣⑤時間帯を変更1.45

※PFは費用を差し引いた後の値。PF1.0未満は負け越しです。隣②は小数第2位で1.00、わずかにPF1.0以上でした。

隣の5つはすべてPF1.0以上でした。山・谷の大きさを変えるとPFは下がりますが、負け越しにはなっていません。24通り全体でも、PF1.0以上は22通りありました。1位の周りが、なだらかな「台地」のようになっている形です。

結果②:ドル円の1位と、その隣

ドル円で直近1年にいちばんPFが高かったのは、山・谷「大」・余裕「あり」・損切り「広い」の設定でした(1年で122回の取引)。

設定変えたパラメータPF
1位の設定—1.29
隣①山・谷を「中」に0.80
隣②抜けの余裕を「なし」に0.86
隣③損切りを「狭い」に1.01
隣④時間帯を変更1.19

隣の4つのうち2つは負け越しでした。24通り全体でもPF1.0以上は3通りだけで、残りの21通りは負け越しです。PF1.29という数字だけを見れば悪くありませんが、周りが崩れているので、1つだけ高い「孤島」に近い形です。

ドル円の1位の取引は1年で122回、月にすると約10回です。取引回数の記事で計算したように、この回数ではPFは大きくぶれます。隣が崩れている設定のPF1.29を、そのまま信じるのは危ないと私は考えています。

結果③:隣が良ければ、次の1年も大丈夫だったか

では「隣もそろって良い設定」なら安心かというと、そうとも言い切れませんでした。1年前(2024年10月〜2025年9月)の1位と、その次の1年(直近1年)の成績を並べます。

銘柄1年前の1位のPF隣のうちPF1.0以上24通り中PF1.0以上次の1年のPF
ゴールド1.543 / 418 / 241.23
ドル円1.223 / 48 / 240.79

どちらも、1年前の時点では隣の4つのうち3つがPF1.0以上でした。それでも、ゴールドは次の1年もPF1.23を保った一方、ドル円はPF0.79の負け越しになりました。

違いがあったのは、24通り全体の広がりです。ゴールドは24通り中18通りが勝ち越していたのに対し、ドル円は8通りでした。ただ、比べたのは2つの例だけなので、「全体の何割が勝っていれば大丈夫」とまでは言えません。

隣を見ることで、何がわかるのか

私が設定を選ぶときに確かめていること

  1. 隣の設定の半分以上がPF1.0以上か1点だけ飛び抜けた設定は選びません。今回のドル円の1位は、隣4つのうちちょうど2つがPF1.0以上で、この条件をぎりぎり満たす形でした。条件を満たしても、数字の弱さは残ると考えています。
  2. 試した設定全体のうち、どれくらいが勝っているかほとんどの設定が負けている銘柄では、勝っている少数の設定も疑ってかかります。
  3. 選ぶのに使っていない期間で確かめる最後は、選んだ後の期間の成績で判断します(ウォークフォワード)。隣のチェックは、その前のふるい分けです。

まとめ

ゴールドの1位(PF1.47)は隣の5つもすべてPF1.0以上でしたが、ドル円の1位(PF1.29)は隣の4つのうち2つが負け越しでした。いちばん良い数字だけを見ると、この違いは見えません。

一方で、1年前のドル円のように、隣がそろって良くても次の1年で負け越すこともありました。隣を見るのは「たまたま」を減らす手段のひとつで、それだけで安心できるものではありません。

EAのバックテストや最適化結果を見るときは、「いちばん良い設定」だけでなく、「少し設定を変えたらどうなるか」も、ぜひ一度確かめてみてください。

サーフ|FX判断基準設計

トレード歴13年。感情に流される裁量トレードで負け続けた経験から、再現性のある判断基準づくりとMT5のEA開発・検証に取り組んでいる。ナビスタ運営者。X:@ForexSurf1981(毎週土曜にGSS2026 Alphaの週次実績を公開)/note:note.com/forexsurf

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品やEAの売買・利用を推奨するものではありません。記載の数値は、開発中の検証用EAを費用を厳しめに見込んでバックテストした結果で、将来の成績を示すものではありません。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。