- 同じロジックのEAを、ゴールドと為替16ペアの計17銘柄・各24通りの設定で1年分検証した
- 費用込みでPF1.0以上になった設定は、ゴールドが24通り中22通り。為替16ペアは合わせて5通りだけだった
- 「ロジックが良ければどの通貨でも勝てる」とは限らない。銘柄を増やす前に、その銘柄で確かめる必要がある
EAを作っていると、「このロジックはゴールドで勝てたから、ほかの通貨ペアでも動かせば取引回数が増えて、利益も増えるはず」と考えたくなります。私もそう考えて、開発中のEAで試してみました。
使ったのは、1時間足で引いたトレンドラインを5分足の終値で抜けたら、持っているポジションを決済して反対向きに入る(ドテン)、という単純なロジックです。開発中の検証用EAで、配布はしていません。
検証の条件
- 銘柄:ゴールド(XAUUSD)と為替16ペアの、計17銘柄
- 設定:1銘柄あたり24通り(線を引く山・谷の大きさ、抜けの判定の余裕、保険の損切り幅、取引する時間帯)
- 期間:2025年10月〜2026年9月の1年間
- 費用:スプレッドに加えて、滑りを厳しめに見込んで差し引き
- ロット:0.01ロット固定(MT5のストラテジーテスターによるバックテスト)
結果:銘柄ごとの成績
| 銘柄 | PF1.0以上の設定 | PF1.2以上の設定 | いちばん良い設定のPF | 月の取引回数(平均) |
|---|---|---|---|---|
| XAUUSD(ゴールド) | 22 / 24 | 11 / 24 | 1.47 | 24回 |
| USDJPY | 3 / 24 | 1 / 24 | 1.29 | 26回 |
| CHFJPY | 2 / 24 | 0 / 24 | 1.10 | 27回 |
| AUDUSD | 0 / 24 | 0 / 24 | 1.00未満 | 29回 |
| EURJPY・EURNZD・EURAUD・AUDJPY・AUDNZD・CADJPY・USDCAD | 0 / 24 | 0 / 24 | 0.94〜0.98 | 26〜28回 |
| GBPUSD・GBPJPY・EURUSD・NZDJPY・NZDUSD・USDCHF | 0 / 24 | 0 / 24 | 0.73〜0.91 | 26〜28回 |
※バックテストの結果です。PFは費用を差し引いた後の値。どの銘柄も取引回数は月24〜29回で、回数の差ではなく1回あたりの損益の差が結果を分けました。
なぜ、ゴールドだけが勝ち越せたのか
① この1年のゴールドは、トレンドがはっきりしていた
トレンドラインのドテンは、値動きが一方向に伸びる相場で利益が出て、行ったり来たりする相場では、抜けるたびに小さな負けを重ねます。この1年、ゴールドは大きなトレンドが続きました。多くの通貨ペアは、もみ合いの時間が長かったと考えられます。
② 値動きの大きさに対して、費用の割合が違う
ゴールドは1回の値動きが大きく、スプレッドや滑りは値動きの一部でしかありません。為替は値動きが小さいぶん、同じ回数取引すると費用の割合が大きくなります。費用を厳しめに見ると、為替の多くはPF1.0を下回りました。
③ 「いちばん良い設定」だけを見ると見誤る
USDJPYにはPF1.29の設定が1つありました。でも、24通りのうちPF1.0を超えたのは3通りだけです。たまたま1つだけ良い設定は、次の期間で続かないことが多いので、私は「周りの設定もそろって良いか」を見るようにしています。
EAを別の銘柄で動かす前に確かめたいこと
- その銘柄で、同じ期間のバックテストを取る作られた銘柄以外で使う場合は、少なくとも1年分、費用込みで確かめます。
- 設定を少し変えても成績が崩れないかを見るいちばん良い設定だけでなく、その周りの設定の成績も並べます。1つだけ飛び抜けた設定は信用しすぎないようにします。
- 取引回数が増えた分、費用も増えることを計算に入れるスプレッドの費用は回数に比例します。銘柄を増やすと回数は増えますが、勝てない銘柄を足すと全体の成績は下がります。
まとめ
同じロジックでも、銘柄が変われば結果は大きく変わりました。今回はゴールドで24通り中22通りが勝ち越した一方、為替16ペアでは合わせて5通りでした。
「回数を増やしたいから銘柄を増やす」のは、その銘柄でも勝てると確かめてからにする。今回の検証で、あらためてそう感じました。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の数値はバックテストの結果で、実際の取引の成果を示すものではありません。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。