この記事の要点
- 人は同じ金額なら利益の喜びよりも損失の痛みを強く感じる傾向があり、損切りが遅れやすい
- 「勝ちは小さく、負けは大きく」になる典型例を数値で確認:9勝1敗でも合計がマイナスになりうる
- 対策は意志の強さではなく、エントリー前に損切りルールを決めておくこと
損切りが大切なことは、多くの人が知っています。それでも実際には、含み損を抱えたまま「戻るまで待とう」と動かせなくなることがあります。これは意志が弱いからではなく、人の判断に共通する癖が関係しています。
なぜ損切りが難しいのか
行動経済学のプロスペクト理論では、人は同じ金額でも、利益から得る満足より、損失から受ける痛みのほうを大きく感じるとされています(損失回避)。損失を確定させる損切りは、この痛みを「今」受け入れる行為なので、先送りしたくなります。
- 含み損のうちは「まだ損していない」と感じる:決済しなければ損失が確定しないため、持ち続けてしまう。
- 取り戻したい気持ち:損失を取り返そうとして、ロットを増やしたりナンピンしたりする。
- 利益はすぐ確定したくなる:逆に、含み益はすぐ決済して小さな利益で終わらせたくなる。
「損切りしない」と「損切りする」の比較
次の仮の運用で比べます。10回の取引のうち9回は同じように+1,000円で勝ち、1回だけ価格が逆行したとします。
| 勝ち(9回) | 負け(1回) | 10回の合計 | |
|---|---|---|---|
| 損切りしない(−15,000円まで保有) | +9,000円 | −15,000円 | −6,000円 |
| 損切りする(−3,000円で決済) | +9,000円 | −3,000円 | +6,000円 |
※仮の数値による計算例です。実在のEAや取引の成績ではありません。
勝率90%でも、損切りしなければ合計はマイナスです。小さな勝ちを積み上げても、たった1回の大きな負けで消えてしまうことは、勝率だけを見てはいけない理由とも共通しています。また、−15,000円の負けを取り戻すには、回復に必要な利益率が負担になります。
感情に左右されないための考え方
- エントリーの前に損切り位置を決めるポジションを持ってから決めようとすると、含み損を見て迷います。先に決めておけば、あとは実行するだけです。
- 1回の損失額を先に決める口座の1〜2%程度など、許容損失を数字で決めます。(ロット計算の考え方)
- 損切りを一度動かしたら、広げない含み損のあとで損切り位置を広げるのは、最も損失が拡大しやすいパターンです。
- 仕組みに任せる範囲を決めるEAや決済の自動化ツールは、感情の入る余地を減らす手段のひとつです。ただし、設定した損切りやロットを後から変えてしまえば同じことが起きます。
まとめ
損切りが難しいのは、損失の痛みを強く感じる人間の自然な反応です。だからこそ意志の強さに頼らず、エントリー前にルールを決めて機械的に実行することが大切です。自分がどんな傾向のトレーダーかを知るきっかけとして、ナビスタの投資タイプ診断もお試しください。
自分に合う投資スタイルを確認する
リスクの取り方や、裁量・自動化への向き不向きを2択10問(約30秒)で診断できます。商品選びの参考にどうぞ。
ナビスタで投資タイプ診断をする → 診断はエンターテインメント要素の強い簡易的なものです。※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。