この記事の要点
- 同じ月利10%でも、24ヶ月後は単利なら3.4倍、複利なら約9.9倍と大きく開く
- 複利の高い数字は「すべての利益を再投資し、同じ割合で勝ち続けた」という理論値。現実の運用では再現しにくい
- EAの成績で「複利」の数字が使われているときは、単利の数字も併記されているかを確認する
EAの販売ページや成績表では、「年利○○%」「資金が○倍」といった派手な数字を見かけます。その数字が単利で計算されたものか複利で計算されたものかで、意味はまったく違います。ここでは同じ月利を単利・複利で並べて、その差を計算で確かめます。
単利と複利の違い
- 単利:ロットを一定にして運用し、利益は元本に足し算していく。資金 = 元本 ×(1 + 月利 × 月数)
- 複利:増えた資金に合わせてロットを増やし、利益を再投資していく。資金 = 元本 ×(1 + 月利)月数
月利別・資金の推移(元本100万円)
| 月利 | 期間 | 単利の資金 | 複利の資金 | 複利÷単利 |
|---|---|---|---|---|
| 3% | 12ヶ月 | 136万円 | 142.6万円 | 1.05倍 |
| 24ヶ月 | 172万円 | 203.3万円 | 1.18倍 | |
| 5% | 12ヶ月 | 160万円 | 179.6万円 | 1.12倍 |
| 24ヶ月 | 220万円 | 322.5万円 | 1.47倍 | |
| 10% | 12ヶ月 | 220万円 | 313.8万円 | 1.43倍 |
| 24ヶ月 | 340万円 | 985.0万円 | 2.90倍 |
※上記の式による計算結果です。毎月同じ月利で増え続けたと仮定した理論値で、損失月・手数料・税金は考慮していません。
読み取れること① 月利が高く期間が長いほど、差は爆発的に開く
月利3%・12ヶ月なら単利と複利の差は5%程度です。ところが月利10%・24ヶ月になると、単利340万円に対して複利は985万円と、約2.9倍の開きになります。月利が高い数字ほど、複利計算で見栄えのする数字になりやすいわけです。
読み取れること② 複利の数字は「理論値」にとどまりやすい
複利の高い数字は、毎月、同じ割合で勝ち続け、利益に合わせてロットを増やし続けられるという前提の上に成り立っています。実際の運用では、次のような理由で再現しにくくなります。
- 資金が増えるほどロットが大きくなり、ブローカーの最大ロット制限や約定の滑り(スリッページ)の影響を受ける
- ロットが大きいぶん、負けた月のドローダウンも同じ比率で大きくなる(回復に必要な利益率の計算も参照)
- 相場環境が変われば、過去と同じ月利が続く保証はない
成績表の数字を見るときのチェックポイント
- 単利か複利かが明記されているか「資金が○倍」「年利○%」と書かれていても、複利か単利かが分からない数字は比較できません。
- 単利(固定ロット)の成績が併記されているか固定ロットでの成績は、ロジックそのものの実力を測る手がかりになります。
- 複利の数字を過信しない複利の高倍率は理論値です。実際の運用成績と同じものとして扱わないようにしましょう。
まとめ
同じ月利でも、複利で計算すると期間が長いほど数字は大きく開きます。ただし、その数字は勝ち続け、ロットを増やし続けられた場合の理論値です。EAの成績を見るときは、単利か複利かを確認し、固定ロットでの成績もあわせて判断材料にしてください。
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