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勝てるEAでも、負ける月は来る──12か月を月別に並べて見えたこと

公開 2026年10月11日著者 サーフ(EA開発者)読了 約5分
この記事の要点
  • ゴールドEAを1か月ずつ区切って12か月分検証すると、10か月がプラス、2か月がマイナスだった
  • 12か月の損益を足すと+339,535円。そのうち49.1%を上位2か月が占め、上位3か月では64.1%になった
  • 最初の3か月だけ見ると合計+4,836円で、ほとんど利益が出ていない。始めた時期と期間の短さで、印象は大きく変わる

EAの成績は、たいてい「1年で何%」「期間全体のPF」のように、まとめた数字で紹介されます。でも、実際に動かすときに気になるのは「今月はどうだったか」です。

そこで、ある市販のゴールドEA(XAUUSD・5分足)を、設定を変えずに1か月ずつ区切ってバックテストし、12か月分を並べてみました。1年トータルでは利益が出ているEAでも、月ごとに見ると景色がかなり違いました。

検証の条件は、MT5のストラテジーテスター(リアルティック)、期間は2025年7月〜2026年6月です。毎月、資金10万円から始め直してテストしているので、月どうしの成績を同じ条件で比べられます。

月別の損益

2025年7月−8,619円
8月−6,407円
9月+19,862円
10月+50,801円
11月+25,145円
12月+12,957円
2026年1月+40,310円
2月+78,772円
3月+87,988円
4月+8,766円
5月+2,579円
6月+27,381円

※各月とも資金10万円から開始したバックテストの結果(手数料・スワップを含む)。12か月を続けて運用した場合の成績とは一致しません。

項目数字
プラスの月/マイナスの月10か月/2か月
12か月の損益の合計+339,535円
1か月あたりの平均+28,295円
真ん中の月(中央値)+22,504円
いちばん良い月2026年3月 +87,988円
いちばん悪い月2025年7月 −8,619円
月の最大ドローダウン(最も深い月)27.77%(2026年1月)
取引回数合計2,980回(月平均約248回)

利益の約半分は、上位2か月だった

12か月の合計+339,535円のうち、2026年3月(+87,988円)と2月(+78,772円)の2か月だけで+166,760円。合計の49.1%です。10月(+50,801円)を足した上位3か月では64.1%になります。

平均(+28,295円)が中央値(+22,504円)より高いのも、この「大きく勝った数か月」が平均を引き上げているからです。言いかえると、「ふつうの月」は平均よりもう少し控えめだと考えておくほうが、実感に近くなります。

プラスの月でも、ドローダウンは深かった

月の最大ドローダウンが20%を超えた月は4回ありました。そのうち3回(2026年1月・5月・6月)は、月末にはプラスで終わった月です。特に1月は、途中で資金の27.77%まで減ったあと、最終的には+40,310円で終わっています。

月末の損益だけを見ていると気づきませんが、月の途中では「このまま止めたほうがいいのでは」と思うような場面があった、ということです。損益とドローダウンは、セットで見る必要があります。

始めた時期で、印象はまったく変わる

3か月ずつに区切ると、損益の合計は次のようになりました。

期間3か月の損益の合計
2025年7〜9月+4,836円
2025年10〜12月+88,903円
2026年1〜3月+207,070円
2026年4〜6月+38,726円

もし2025年7月に使い始めていたら、最初の2か月は続けてマイナスで、3か月目までの合計もほぼゼロです。ここで「このEAは使えない」と判断して止めていたら、その後の大きく伸びた時期は手に入りませんでした。

逆に、2026年1月に始めた人は、最初の3か月で大きな利益を見ることになります。そのまま「毎月これくらい増える」と期待すると、4〜5月の伸び悩みが大きな失望に感じられるはずです。同じEAでも、どの月から始めたかで、受ける印象がここまで変わります。

月別の成績を見るときのポイント

  1. プラスの月の数より、利益の偏りを見る上位2〜3か月が利益の何割を占めているかを計算します。偏りが大きいほど、「良い月が来るまで続けられるか」が成績を左右します。
  2. 月末の損益と、月の途中のドローダウンを並べるプラスで終わった月でも、途中で大きく減っていることがあります。最大ドローダウンを見て、その減り方に自分が耐えられるかを考えます。
  3. 最初の数か月だけで判断しない今回の例では、最初の3か月の合計は+4,836円でした。評価する期間をあらかじめ決めておき、短い期間の結果で止める・増やすを決めないようにします。
  4. ロットは「悪い月」に合わせて決める良い月を基準にすると、悪い月の負けが重くなります。ロットの決め方は、ドローダウンが深い月を想定して考えます。

まとめ

12か月を月別に並べると、10か月がプラス、2か月がマイナスでした。1年で見れば「勝てるEA」ですが、利益の約半分は上位2か月に集中していて、最初の3か月はほとんど利益が出ていません。

EAに「負ける月」や「伸びない月」が来るのは、珍しいことではありません。大切なのは、それを前もって知ったうえで、どのくらいの期間で評価するか、どこまでの減りなら続けるかを、動かす前に決めておくことだと感じています。

サーフ|FX判断基準設計

トレード歴13年。感情に流される裁量トレードで負け続けた経験から、再現性のある判断基準づくりとMT5のEA開発・検証に取り組んでいる。ナビスタ運営者。X:@ForexSurf1981(毎週土曜にGSS2026 Alphaの週次実績を公開)/note:note.com/forexsurf

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品やEAの売買・利用を推奨するものではありません。記載の数値は市販EAを既定設定のまま検証したバックテストの結果で、実際の取引の成果を保証するものではありません。バックテストと実際の運用では、スプレッドや約定の違いにより結果が変わることがあります。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。