- ゴールドEAを1か月ずつ区切って12か月分検証すると、10か月がプラス、2か月がマイナスだった
- 12か月の損益を足すと+339,535円。そのうち49.1%を上位2か月が占め、上位3か月では64.1%になった
- 最初の3か月だけ見ると合計+4,836円で、ほとんど利益が出ていない。始めた時期と期間の短さで、印象は大きく変わる
EAの成績は、たいてい「1年で何%」「期間全体のPF」のように、まとめた数字で紹介されます。でも、実際に動かすときに気になるのは「今月はどうだったか」です。
そこで、ある市販のゴールドEA(XAUUSD・5分足)を、設定を変えずに1か月ずつ区切ってバックテストし、12か月分を並べてみました。1年トータルでは利益が出ているEAでも、月ごとに見ると景色がかなり違いました。
検証の条件は、MT5のストラテジーテスター(リアルティック)、期間は2025年7月〜2026年6月です。毎月、資金10万円から始め直してテストしているので、月どうしの成績を同じ条件で比べられます。
月別の損益
※各月とも資金10万円から開始したバックテストの結果(手数料・スワップを含む)。12か月を続けて運用した場合の成績とは一致しません。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| プラスの月/マイナスの月 | 10か月/2か月 |
| 12か月の損益の合計 | +339,535円 |
| 1か月あたりの平均 | +28,295円 |
| 真ん中の月(中央値) | +22,504円 |
| いちばん良い月 | 2026年3月 +87,988円 |
| いちばん悪い月 | 2025年7月 −8,619円 |
| 月の最大ドローダウン(最も深い月) | 27.77%(2026年1月) |
| 取引回数 | 合計2,980回(月平均約248回) |
利益の約半分は、上位2か月だった
12か月の合計+339,535円のうち、2026年3月(+87,988円)と2月(+78,772円)の2か月だけで+166,760円。合計の49.1%です。10月(+50,801円)を足した上位3か月では64.1%になります。
平均(+28,295円)が中央値(+22,504円)より高いのも、この「大きく勝った数か月」が平均を引き上げているからです。言いかえると、「ふつうの月」は平均よりもう少し控えめだと考えておくほうが、実感に近くなります。
プラスの月でも、ドローダウンは深かった
月の最大ドローダウンが20%を超えた月は4回ありました。そのうち3回(2026年1月・5月・6月)は、月末にはプラスで終わった月です。特に1月は、途中で資金の27.77%まで減ったあと、最終的には+40,310円で終わっています。
月末の損益だけを見ていると気づきませんが、月の途中では「このまま止めたほうがいいのでは」と思うような場面があった、ということです。損益とドローダウンは、セットで見る必要があります。
始めた時期で、印象はまったく変わる
3か月ずつに区切ると、損益の合計は次のようになりました。
| 期間 | 3か月の損益の合計 |
|---|---|
| 2025年7〜9月 | +4,836円 |
| 2025年10〜12月 | +88,903円 |
| 2026年1〜3月 | +207,070円 |
| 2026年4〜6月 | +38,726円 |
もし2025年7月に使い始めていたら、最初の2か月は続けてマイナスで、3か月目までの合計もほぼゼロです。ここで「このEAは使えない」と判断して止めていたら、その後の大きく伸びた時期は手に入りませんでした。
逆に、2026年1月に始めた人は、最初の3か月で大きな利益を見ることになります。そのまま「毎月これくらい増える」と期待すると、4〜5月の伸び悩みが大きな失望に感じられるはずです。同じEAでも、どの月から始めたかで、受ける印象がここまで変わります。
月別の成績を見るときのポイント
- プラスの月の数より、利益の偏りを見る上位2〜3か月が利益の何割を占めているかを計算します。偏りが大きいほど、「良い月が来るまで続けられるか」が成績を左右します。
- 月末の損益と、月の途中のドローダウンを並べるプラスで終わった月でも、途中で大きく減っていることがあります。最大ドローダウンを見て、その減り方に自分が耐えられるかを考えます。
- 最初の数か月だけで判断しない今回の例では、最初の3か月の合計は+4,836円でした。評価する期間をあらかじめ決めておき、短い期間の結果で止める・増やすを決めないようにします。
- ロットは「悪い月」に合わせて決める良い月を基準にすると、悪い月の負けが重くなります。ロットの決め方は、ドローダウンが深い月を想定して考えます。
まとめ
12か月を月別に並べると、10か月がプラス、2か月がマイナスでした。1年で見れば「勝てるEA」ですが、利益の約半分は上位2か月に集中していて、最初の3か月はほとんど利益が出ていません。
EAに「負ける月」や「伸びない月」が来るのは、珍しいことではありません。大切なのは、それを前もって知ったうえで、どのくらいの期間で評価するか、どこまでの減りなら続けるかを、動かす前に決めておくことだと感じています。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品やEAの売買・利用を推奨するものではありません。記載の数値は市販EAを既定設定のまま検証したバックテストの結果で、実際の取引の成果を保証するものではありません。バックテストと実際の運用では、スプレッドや約定の違いにより結果が変わることがあります。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。