- GSS2026 Alphaの実際の取引562回を、中身はそのままで順番だけ1万通りに並べ替えると、最大ドローダウンは20.4%〜71.2%に散らばった。真ん中は40.6%
- 実際の最大ドローダウン56.1%は、1万通りの中で悪いほうから約4%の位置。大きな負けが9月中旬の4日間に固まったことが効いていた
- どう並べても20%を下回らなかったのは、1回で残高の5%以上を失う負けが29回あったから。順番は「運」で変わるが、負けの大きさは順番では変わらない
EAの最大ドローダウン(残高の山からの最大の下落率)を見て、「この数字は、たまたま負けが続いた結果なのか、それともEAの性格なのか」と考えたことはないでしょうか。私が動かしているゴールドEA「GSS2026 Alpha」は、フォワード運用で最大ドローダウンが56.1%まで深くなりました。バックテストでは8〜9%だった数字です。
そこで、実際の取引562回の損益を一つも変えずに、順番だけを1万通りに並べ替えて、最大ドローダウンがどこまで変わるかを計算してみました。
計算の方法
使ったのは、デモ口座でのフォワード運用(2026年8月18日〜10月23日の決済分、XAUUSD)です。実績ページと同じく、手数料・スワップ込み、損益0円の取引は除いて562回(390勝172敗)になります。
- 1回ごとの損益を、決済直前の残高に対する割合(%)に直す(このEAはロットが残高に合わせて変わるため)
- その562個の%を、ランダムに並べ替えて残高の動きを作り直し、最大ドローダウンを出す
- これを1万回くり返す(乱数の種を変えて3回やり直しても、真ん中の値の差は0.3ポイント以内)
勝ち負けの回数も、1回ごとの損益の大きさも同じです。違うのは「どの順番で来たか」だけです。
順番だけで、最大ドローダウンはここまで変わる
| 1万通りの並べ替えの中で | 最大ドローダウン |
|---|---|
| いちばん浅い並び | 20.4% |
| 浅いほうから5%の位置 | 29.3% |
| 真ん中(中央値) | 40.6% |
| 深いほうから5%の位置 | 55.4% |
| いちばん深い並び | 71.2% |
| (参考)実際の順番 | 56.1% |
※デモ口座でのフォワード運用の取引を並べ替えた計算値です。過去の成績は将来の成果を保証しません。
同じ562回でも、並び方しだいで最大ドローダウンは20%台にも70%台にもなります。1万通りのうち、30%以上になったのは93.6%、50%以上になったのは14.9%でした。
実際の56.1%は、1万通りの中で悪いほうから約4%の位置です。つまり、同じ取引の中身でも、実際の並び方はかなり運が悪いほうだったことになります。
実際の順番が悪かった理由──大きな負けが固まった
1回の決済で残高の何%を失ったかの大きい順に10回を見ると、そのうち4回が9月14日〜17日の4日間に集中していました(−8.9%、−8.8%、−10.1%、−12.5%)。残高の山は9月16日の255,976円で、その直後に−10.1%と−12.5%が続きました。そこから回復しきれないまま、10月21日の112,312円まで下がったのが最大ドローダウンです。
並べ替えの計算では、こうした大きな負けは562回の中にばらばらに散らばるのが普通です。実際には近い日に重なったため、回復する前に次の負けが来て、ドローダウンが深くなったと考えられます。連敗の確率の記事で書いた「負けはまとまって来やすい」ことが、ここでも見えています。
どう並べても20%を下回らなかった理由──負けの大きさ
一方で、いちばん運の良い並びでも20.4%でした。順番をどう変えても、バックテストの8〜9%には届きません。理由は、1回ごとの負けの大きさです。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 勝ちの真ん中(1回あたり) | 残高の+1.22% |
| 負けの真ん中(1回あたり) | 残高の−0.70% |
| 1回で残高の5%以上を失った負け | 29回 |
| 1回で残高の10%以上を失った負け | 5回(最大−15.1%) |
ふだんの負けは小さいのに、ときどき残高の10%を超える負けが来ます。ためしに、負けの大きい順に10回だけを取り除いて同じように並べ替えると、最大ドローダウンの真ん中は21.1%まで下がりました。取り除いたのは562回のうち10回、2%足らずです。
最大ドローダウンの「深さの下限」は、順番ではなく、少数の大きな負けで決まっていました。
最大ドローダウンを見るときのポイント
- 1本の成績の最大ドローダウンは「1つの並び方」の結果と考える同じ中身でも、順番が違えば数字は大きく変わります。バックテストの最大ドローダウンが小さくても、それは運の良い並びだった可能性があります。
- 順番を入れ替えて、散らばりを見ておく取引の一覧があれば、並べ替えの計算で「真ん中」と「悪いほう5%」を出せます。資金やロットは、真ん中ではなく悪いほうの数字に合わせておくと安全です。
- いちばん大きな負けを先に確かめる1回で残高の何%を失うことがあるかは、順番では変わりません。1回の損失を口座の何%にするかを決めておくと、ドローダウンの下限そのものを浅くできます。
なお、並べ替えの計算は「1回ごとの損益の分布は変わらない」という前提に立っています。相場が変われば負け方そのものが変わるため、計算で出た最大の数字も上限ではありません。
まとめ
GSS2026 Alphaの実際の取引562回を順番だけ1万通りに並べ替えると、最大ドローダウンは20.4%〜71.2%で、真ん中は40.6%でした。実際の56.1%は、大きな負けが9月中旬に固まったぶん、悪いほうから約4%の位置にあります。
ただ、どれだけ運の良い並びでも20%は下回りませんでした。最大ドローダウンには「順番の運」で変わる部分と、「負けの大きさ」で決まる部分があります。数字を見るときは、その両方を分けて考えるのが大切だと感じています。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。並べ替えの結果は「1回ごとの損益の分布が変わらない」という前提での計算値です。GSS2026 Alphaの数値はデモ口座でのフォワード運用の結果で、実際の取引の成果を保証するものではありません。GSS2026 Alphaは筆者が開発・配布しているEAです。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。